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 円安・ドル高基調が続いている。そんな中、円安の恩恵にあずかろうと、「個人輸出」を始める人が増えているという。円安にはどんなメリットとデメリットがあるのか。AERA 2024年5月27日号より。

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 まず円安の弊害として第一に挙げられるのは、私たちの家計が圧迫されることだ。

 ニッセイ基礎研究所の井出真吾主席研究員は指摘する。

「直近の個人消費のピークは昨年1~3月期で、その頃から値上げラッシュが続き、3四半期連続でマイナスになっています。今後も値上げが続けば、さらに落ち込む恐れがあります」

 食品業界を中心に、価格転嫁(値上げ)を行った企業は、むしろ業績が拡大しているという側面もある。だが多くは大企業で、中小・零細企業の間で価格転嫁はさほど進んでいないようだ。

 もちろん、もっぱら海外市場で稼いでいる外需系の企業にとっては、円安が大きなメリットとなる。海外で販売する製品の価格が割安になって競争力が高まるうえ、外貨で獲得した売り上げを円に交換した際に、為替差益が上乗せされるからだ。

 加えて、円安が絶好の追い風となってインバウンド(訪日外国人客)が劇的に増加している。旺盛なインバウンド消費が個人消費の落ち込みをカバーすることは期待できないのか。井出さんはこう答える。

「交通、宿泊、レジャー、外食など、インバウンド関連の業種にとって、確かに円安はメリット。とはいえ、こちらも大手と中小・零細で明暗が分かれているはず。局所的にはプラスでも、日本経済全体で捉えると、過度な円安はマイナスでしょう」

米国サイトに出品

 一方で、円安を機に副業として個人輸出を始める人が密かに増えている。オークションやショッピングの商品を比較・検討できるサイトを運営するオークファンは、個人輸出の方法やそのメリットなどをレクチャーするオンライン説明会(無料)を随時開催している。円安が加速した頃から参加者が急増しているという。

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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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