AERA 2024年5月27日号より

 個人輸出とは、国内で日本製品を買い付け、米国のアマゾンや、世界最大のオークションサイトであるイーベイに出品して海外で販売するというもの。オークファンメディア事業部の石井宏朋さんはこう説明する。

「英語が苦手でも、翻訳アプリで手続きを完結できるので、意外とハードルは低いのが現実。カメラをはじめ、もともと海外で日本製品の人気は高く、円安でお買い得感が高まっています」

 実際、米国のアマゾンにアクセスして「japan import(日本輸入)」のキーワードで検索すると、バラエティー豊かな日本製品がリストアップされた。石井さんいわく、個人輸出では3大利益の獲得を期待できるという。

「輸出する商品の買い付けを楽天市場で行えば、ポイントをためられます。二つ目は円安に伴う為替差益で、三つ目は消費税の還付。国内で買い付けた際に消費税を負担しますが、その商品を海外で販売した場合は、確定申告時に証明書を提出すれば、還付してもらえるのです」

 最後に前出の井出さんは、円安によるインフレに打ち勝つうえでも投資が重要なカギを握ると指摘する。

「今後もインフレは緩やかに続くと思われますし、日本よりも米国の経済のほうが強いのは明白で、円売り・ドル買いも簡単には止まらないはず。外貨資産も含め、投資を始めることを考えたほうがいいでしょう」

(金融ジャーナリスト・大西洋平)

AERA 2024年5月27日号より抜粋

AERA 2024年5月27日号より
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大西洋平

大西洋平

出版社勤務などを経て1995年に独立し、フリーのジャーナリストとして「AERA」「週刊ダイヤモンド」、「プレジデント」、などの一般雑誌で執筆中。識者・著名人や上場企業トップのインタビューも多数手掛け、金融・経済からエレクトロニクス、メカトロニクス、IT、エンタメ、再生可能エネルギー、さらには介護まで、幅広い領域で取材活動を行っている。

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