今シーズンのプロ野球が開幕して早くも1カ月半が経ったが、大きなトピックの一つとなっているのが巨人の“正捕手問題”だ。
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ここ数年は強打が武器の大城卓三が務めていたが、捕手出身の阿部慎之助新監督が就任したことで序列に動きもみられる。加えて、大城が開幕から打撃の調子が上がらないことで現在は二軍で調整中。そこで存在感を発揮しているのが、最近は大城などの台頭もあり厳しい状況に追いやられていたベテランの小林誠司だ。
「大城の調子が悪いのもあるが、阿部監督の中には小林を使う気持ちが最初からあったようだ。今春キャンプは二軍スタートも一軍合流後からは会話する機会も多く見かけた。ここまでは期待にしっかり応えている」(巨人関係者)
2013年のドラフト1位で巨人入りした小林は3年目の2016年にレギュラーの座を掴むと、その後3シーズンにわたって正捕手を務めた。打撃については常に課題となっていたが、“鬼肩”と形容される強肩を売りとしたディフェンス力には定評がある。2017年に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では侍ジャパンの正捕手も務め、チームの準決勝進出に貢献。また、大会では打撃が好調でチームトップの打率.450(20打数9安打)、1本塁打、6打点をマークし“世界のKOBAYASHI”と称された。
しかし、2019年以降は出場試合が減少。怪我や大城、岸田行倫など若手が力をつけてきたということもあり、チーム内での立場を徐々に失っていった。昨季も21試合の出場にとどまり、わずか9打席に立ったのみ。オフの契約更改では2019年シーズン終了後に結んだ4年契約が切れ、減額制限を大幅に越える7000万円減の年俸3000万円でのサインとなった。
「打撃に問題があるのは誰が見ても明白。守備能力の高さを見ても体自体の力は弱くはないが、スイングに生かされていない。スイング自体が緩くて強い打球が打てないという長年の課題は解決できていない」(巨人OB)