そんな中、プロ11年目の今春キャンプではキャリア初の二軍スタート。チーム状況を考えると、とうとう居場所がなくなるとも思われていたが、シーズンが始まると良い意味で予想を裏切り出場機会を増やしている。

「イケメンで優しく誰からも好かれている。だが野球に関しては頑固で投手に対し強く意見できる強さも持つ。打撃面に課題はあるが捕手としての存在感は大きい」(巨人関係者)

 アマチュア時代は広島の古豪・広陵高、そして社会人・日本生命と名門で正捕手を務めた。プロ入り後も巨人、日本代表でも活躍した選手なだけに、近年は相当悔しい時期を過ごしていたはずだ。しかし小林の凄さはどんな時も前向きに努力してきたこと。春季キャンプの二軍スタートが決まった時も「どんな立場でいようと腐らず練習する男なので」と阿部監督が評するなど、野球に対する姿勢は誰もが認めている。

「二軍キャンプでは若手に混じって一番大きな声を出していた。毎日泥だらけになって捕手の練習を繰り返し、その後はバットを振り続けていた。手を抜かず黙々と練習を続ける姿からは、プロで生き残るという強い覚悟を感じさせた」(巨人担当記者)

 昨年までチームを指揮した原辰徳監督の政権下では不遇を味わっていたが、現役時代をともにした阿部監督からの評価も高いという。

「試合に使われなくても腐らずチームへの献身性を失わない姿勢を高く評価している。結果が出なくても折れない精神的な強さも理解している。昨年まではベンチ内で長い時間を一緒に過ごしたため、阿部監督はある意味で一番の理解者かもしれない」(巨人関係者)

 今季は同じく復活の予感を漂わせている菅野智之との“スガコバ”バッテリーが話題となっているが、捕手としての能力は折り紙付き。投手からの信頼も厚い。

「高校時代にバッテリーを組んでいた広島・野村祐輔が『最高の捕手だった』と評価しているほど。投手の特徴や性格など、細かな部分まで徹底的に観察して投げやすい環境を作るのに長けた捕手」(小林をアマチュア時代から知るスポーツライター)

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さらに高まりそうな小林の価値