AERAの連載「2024パリへの道」では、今夏開催されるパリ五輪・パラリンピックでの活躍が期待される各競技のアスリートが登場。これまでの競技人生や、パリ大会へ向けた思いを語ります。
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近年、躍進が続く日本バスケットボール界で、近未来の日本代表を担うと目されるニュースターだ。
昨年2月23日に行われたFIBAバスケットボールワールドカップ2023(W杯)アジア2次予選。高崎アリーナでのイラン戦で代表デビューを果たすと、6本の3点シュートを含む20得点を挙げ、チームのスコアリングリーダーとして勝利に貢献した。当時は東海大学の2年生。Bリーグの選手が居並ぶ中、現役大学生が鮮烈な印象を残した。
「プロの経験も一切なかったので、僕なんか誰も注目していないだろうと、開き直ってプレーしていました。初めて代表として出場して『シュート何本か決めたら上出来やろ』って」
イランは長年、アジアの強豪として君臨。前年のテヘランでの試合では敗れている格上の相手だった。
「イランは強いとは聞いていたんですけど、詳しくはよくわかっていなかった。相手を意識せずに、自分のことだけに集中してプレーできたのがよかったのかなと」
緊張もなく飄々(ひょうひょう)と。臆(おく)してしまいそうな大舞台で結果を残せたのも、築き上げてきた土台があるからこそだ。
バスケと出合ったのは小学2年の時。自宅の前の公園にバスケットゴールがあり、2歳上の兄と一緒に、辺りが暗くなるまで遊んだ。
「シュートを決めたときが一番うれしくて、バスケの面白さにすぐにハマりましたね。一人でも公園に行っては、ずっとドリブルをついていました。飽きることなんて一切なかったです」