AERA 2024年5月20日号より

 取材中、「グルーヴ」という言葉を何度となく口にした。

「最近好きでよく使っている言葉です。音楽もお芝居も言ってみればグルーヴ、セッションじゃないですか。音楽にも、お芝居にも通じるところがあるなって」

 近年では、トランスジェンダーを演じた映画「ミッドナイトスワン」で高い評価を受け、昨年から今年にかけてはNHK連続テレビ小説「ブギウギ」の羽鳥善一役で唯一無二の魅力を改めて印象づけた。5月17日公開の映画「碁盤斬り」では、時代劇の世界に当たり前のように存在していた。けれど、自身は「役者」という感覚はないのだという。

「お仕事を頂けるからやっている。そんな感覚です。『役者』って、なんなのだろうなと思いますね。僕は歌も歌いますし、YouTubeもやっている。自分はアイドルなのかなって思うこともある。なんだろうね、『役者です』って一つに絞ってしまうのも、なんだか寂しいなって」

 様々な役柄のオファーを受けながら、自身を定義せず、軽やかに存在する。その姿がとても清々しい。(ライター・古谷ゆう子)

AERA 2024年5月20日号

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