裏金問題で自民党を離党した谷川弥一衆院議員の会見

有権者の怒りは持続する

 だが、このような“引き延ばし戦略”で自民党が危機を乗り切れるかどうかは未知数だ。場合によっては、次の衆院選で有権者が自民、公明、そして維新以外の候補者に票を投じる可能性もある。

「森友学園問題などを思い出してもらいたいのですが、これまで大きなスキャンダルが政権や自民党を揺るがしたとしても、『もっと他に国会で議論すべき重要な問題がある』という反論が必ず出てきました。ところが今回、こうした意見は目立っていません。なぜなら裏金事件は“政治とカネ”という、まさに国会で議論すべき重要な問題だからです。その分だけ有権者の怒りが持続する可能性があり、簡単には忘れられないでしょう」(同・伊藤氏)

 一時的に支持率が上がろうとも、岸田首相が追い詰められていることには変わりない。

(井荻稔)

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井荻稔

井荻稔

ライター。福岡県出身。大手新聞社で主にサツ回りとしてキャリアを積んだあと、主に週刊誌やネットメディアで記事を執筆。フィールドはカルチャーから政治まで広いがゆえに、逆に得意分野はなし。趣味は映画鑑賞と暴飲暴食。

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