開幕から好調だったものの怪我で離脱となった巨人・大勢

 開幕から約30試合が消化した今年のプロ野球。全体的に投高打低と言われているが、投手で勝敗に直結するのが抑え投手だ。今年から新たに抑えを任せられている投手がいる一方で、実績がありながら不安の残る投手も存在している。そんな各球団のクローザー事情をまとめてみたいと思う(成績は5月8日終了時点)。

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 まず昨年と変わらず圧倒的な存在となっているのがマルティネス(中日)だ。ここまで開幕から15試合連続無失点を継続しており、10セーブをマーク。1イニングあたりの被安打と与四球で算出するWHIPも0.42を記録するなど抜群の安定感を誇っている。スピードに注目が集まるが、与四死球が0というのも特筆すべき数字だ。昨年までと比べて奪三振は少ないが、これは相手打者が追い込まれる前に打とうとしている傾向が強くなっていると考えられ、球数も少ない。故障さえなければ、2年ぶりの最多セーブのタイトル獲得の可能性は高い。

 マルティネスと並んで安定感を示しているのが栗林良吏(広島)だ。昨年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で腰を痛めた影響もあってプロ入り以来最低の成績に終わったが、今年は見事に復活。4月25日のヤクルト戦ではサンタナにサヨナラホームランを浴びて今季初黒星を喫したものの、それ以外の15試合は無失点で、マルティネスに次ぐ9セーブをマークしている。WHIP0.40、奪三振率13.20というのも見事という他ない。チームは得点力不足に苦しみ、ロースコアの接戦も多くなっているだけに、栗林がこの状態をどこまで維持できるかというのが重要になってくるだろう。

 中日、広島とは少し違う形ながら、安定感があるのが阪神だ。昨年最多セーブに輝いた岩崎優を固定せずに、新外国人のゲラも積極的に抑えに起用。ここまでそれぞれ5セーブずつをマークしており、防御率も岩崎が0.60、ゲラが2.16と高い水準をキープしている。もう一人の抑え候補だった湯浅京己が二軍でも打ち込まれているのは誤算だが、しばらくこの体制で戦うことになりそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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