阪神と同様に複数のクローザーでスタートしながらも、早くも体制が変わりつつあるのがDeNAだ。山崎康晃が4月24日の阪神戦でワンアウトもとれずに3失点を喫して負け投手となると、その後は全てセーブシチュエーションで森原康平が登板している。ただその森原も防御率1.50、奪三振率11.25は立派な数字だが、12試合に登板して走者を出さずに抑えたのは半分の6試合とそこまで万全というわけではない。今後の投球次第では再び山崎が戻ることや、別の投手がクローザーを任せられる可能性もありそうだ。
ここまで挙げた4球団以上に苦しいのがヤクルトと巨人だ。ヤクルトは田口麗斗が開幕直後にコンディション不良で登録抹消。復帰は間近という報道もあるが、ここまで有効な代役を立てられていない状況だ。巨人も大勢が開幕から好調だったものの、右肩の違和感で5月4日に離脱。中継ぎで好投したバルドナードが代わりを務めているが、ブルペン陣にかかる負担が大きくなることは間違いないだろう。
セ・リーグ以上に苦しいチームが目立つのがパ・リーグだ。現在はオスナ(ソフトバンク)がリーグトップの9セーブをマークしているものの、16試合中4試合で失点しており、防御率3.38、奪三振率2.81、WHIP1.44とクローザーとしてはかなり物足りない数字が並んでいる。昨年は49回を投げてわずか6与四死球だったのが、今年は16回を投げて早くも7与四死球を記録しており、制球に苦しむシーンが目立つ。このまま調子が上がらなければ、クローザー交代の可能性もあるだろう。
日本人投手で実績抜群の益田直也(ロッテ)と平野佳寿(オリックス)も苦しんでいる。益田は今季2度目の登板となった3月31日の日本ハム戦で早くも初黒星を喫すると、続く4月3日のソフトバンク戦でも失点し(自責点は0)、翌日に調整で登録抹消。復帰登板となった4月25日のソフトバンク戦でも1回を投げて被安打2、2四死球、1失点と安定感を欠く内容だった。その後は持ち直して3試合連続でセーブをマークしているが、ここまで7試合の登板で出塁を許さなかったのは1度しかない。通算250セーブまでの道のりは険しいものとなりそうだ。