過去に何回もプリンスアイスワールドに出演している高橋は、今公演を「最初から最後までエネルギッシュ」と感じているという。

「すごく元気になるという印象があって。特にキッズスケーターが一緒に滑るところは、世界観も大事にしつつスケートもそこに織り交ぜていて。スケートのことを知らない方も、『これがこういう技なんだ』と知ることができる構成になっていたので、素晴らしいなと感じました」

 好きなミュージカルを問われた高橋が、「僕むちゃくちゃミュージカル好きなので、いっぱいあって決め切れない」と迷いながら挙げたのは、今回のテーマにも沿ったロックミュージカルだった。

「フランス版の『ロミオとジュリエット』が大好き。楽曲もすべて好きで、いつかちょっとでもいいから出たいと思っているぐらい、すごく好きなミュージカル。なかなか難しいのですが、スケートでも一つのストーリーの世界観というものをやってみたいなと思ったりすることもあるんです」

 活躍の場を広げる今の高橋には、ジャンルを超えて挑戦したいものがたくさんあるようだ。『Symmetry』で最後に歌われるのは、誰の心にもある“infinity”(無限)。エンターテイナー・高橋大輔の可能性も、きっと無限に広がり続ける。(文・沢田聡子)

沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」