村元哉中(左)と高橋大輔(右)

 村元哉中&高橋大輔が新プログラムで使った『Symmetry』は、静かな旋律に乗せて闇の訪れを歌う曲だ。

【感動シーン】涙が抑えられない…演技後氷上でしっかりと抱き合う二人

「プリンスアイスワールド2024-2025 『A NEW PROGRESS ~BROADWAY ROCKS!~』横浜公演」初日。村元と高橋の名がコールされると、大きな歓声が上がった。

『Symmetry』には、幻想的な雰囲気が漂っていた。村元と高橋は鍛錬がうかがわれる多様なリフトを繰り出し、アイスショーのリンクでは狭く感じられるほど伸びやかなスケーティングで魅せる。黒の衣装を身につけて鋭い動きをみせる村元に対し、白い衣装をまとった高橋は柔らかい所作で村元を受け止めているようにみえた。競技者として、またプロスケーターとして二人が積んだたくさんの経験が、深みのある演技につながっているのだろう。演技を終えた村元と高橋を、喝采が包み込んだ。憂いの中にも温かみが感じられる、不思議な時間だった。

「初めて、パートナーの村元哉中ちゃんと僕の二人で振り付けをして。今回プログラムを作ったんですけれども、僕自身振付をほとんどしないので、結構レアではある」

 囲み取材で、高橋はそう説明した。『Symmetry』は、暗い曲の方が表現しやすいという高橋らしい選曲なのかもしれない。

「お客さんに『すごく素敵でした』と言っていただけたので、一安心です」

 高橋は、ほっとしたようにそう語った。『Symmetry』を観た人は、高橋の振り付けたプログラムをもっと観たいと感じるだろう。振付に対し慎重な姿勢だった高橋が、ここからさらに先へ進む気持ちになってくれることを願いたい。

 2024-25シーズンのプリンスアイスワールドは、2023-24シーズンの「BROADWAY CLASSICS」に続く「ミュージカル・オン・アイス」の第2章という位置づけだ。テーマは「ROCKS!」で、ミュージカルの名ロックナンバーが並ぶ情熱的なアイスショーに仕上がっている。

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”エンターテイナー”高橋大輔が見せた可能性