また昨今は、まるで退職したかのように最低限の仕事をこなす「静かな退職」という働き方が広まりつつある。もちろん、最初から「静かな退職」をするつもりで就職する人はいないだろう。何らかの事情で働くモチベーションが落ちたことが原因ではないかと思う。

 このような「静かな退職」者、「五月病」を煩わせないためにも、新入社員のモチベーションを落とさないようにするにはどうしたらいいのか。今回は、モチベーションについて徹底解説したい。

多くの上司が勘違いしている「モチベーション」について

 モチベーションとは内発的な動機という意味だ。やる気とか意欲のことである。ただ、多くの上司が勘違いしていることがある。

「そもそも、若者はモチベーションを上げたがっているのだろうか?」

 これを読んでいるあなたも、モチベーションを上げたいだろうか? もっと熱意をもって仕事がしたいだろうか? そのように聞かれたら「Yes」かもしれない。だが、別に上がらなくてもいいと思う人も多いはずだ。熱意がそれほど高くなくても、仕事ぐらいはできるからだ。

 実のところ若者が望んでいることは、「モチベーション向上」ではない。

「モチベーションを下げたくない」

 なのだ。そして、ほとんどの人がわかっていないことは、

 が違う、ということだ。

 これは昨今のトレンドでもある。いかに成功するか、ではなく、いかに失敗しないかを多くの人は気にしている。成功するやり方はいろいろな環境要因によって左右されるが、失敗しない方法は、ほとんど決まっている。松浦静山の名言にもある。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

 だ。同じように、モチベーションの上げ方なんて個人差がありすぎるし、不確実性が高い。ところがモチベーションを下げない方法というのは、ほぼ個人差がなく、再現性が高いのだ。

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