したがって上司は、
「最近の若い子のモチベーションを上げるには、どうしたらいいのか?」
に頭を悩ませるべきではない。最近の若い子でなくても、人それぞれだからだ。
そこで役立つ理論が、「ハーズバーグの二要因理論」だ。このクラシカルな理論、フレームワークは、上司と部下との関係のみならず、夫婦や子どもとの関係を良好にするうえでも、とても役立つ。ぜひ覚えてほしい。
ハーズバーグの二要因理論を活用しよう!
それでは、ハーズバーグの二要因理論を軽く解説する。二要因理論の「衛生要因・動機付け要因」の意味は、以下のとおり。
重要なのは、断然「衛生要因」だ。わかりやすい例を書こう。
どんなに好きな仕事に就いたとしても、会社の方針がおかしかったり、上司との関係がギクシャクしていたり、個人の生活を脅かすほど労働条件が悪かったりすると、ほとんどの人は不満を抱く。そんな状況で、たまに
「君はすごいねえ。頑張ってるよ」
と褒められても、満足するのは一瞬だけ。モチベーションが上がったり、やる気になったりするのは、そのときだけで長続きしない。
「君がやりたいことは何だ? 今後のキャリアについて話し合おう」
このように、キャリアの相談をされても心は動かない。日ごろから正しいマネジメントをされてもいないのに、時折部下の承認欲求を満たそうとしたり、やる気を上げようと動機付けばかり考えても心に響かないのだ。
夫婦仲を考えたら、わかりやすいか。
仕事で出張へ行く。飲み会で遅く帰る。週末は接待ゴルフ。なかなか家族の時間を確保することができない。そのため、誕生日やクリスマスのときだけ、「日ごろの罪滅ぼし」で高級レストランを予約したり、高価なプレゼントをしても、良い関係は続かない。