高校生の時の大谷を見たドジャースのスカウトが、ショートも守れると思うと言っていたらしい。身体能力がずば抜けているアレックス・ロドリゲスのような選手だと。彼の高校の監督もそう言っていた。その時は冗談かと思ったけど、今振り返ると冗談ではなかったと思う。彼の高校の水泳コーチは、大谷が水泳に専念すればオリンピックに出られるとも言っていた。投手として大量のイニングを投げるとかでなければ、本人がやりたければ、何でもできる能力があると思う。だから、ピッチャーをやめたら、外野を守るということは考えられる。
サム 長く二刀流でプレーすることについては、少し懐疑的かな。大谷のベストシーズンはすでに3度見たと思う。今は2度目の靭帯修復から戻ってきたばかりで、受けた手術の内容も分からない。復帰して投げる時には31歳になっているし。不可能ではないだろうけど、以前よりさらに良くなったり、これまでのようなイニング数を投げ続けて、毎日ヒットを打ち続けるというのは想像しづらい。大谷だって人間だから、加齢には勝てない。

ディランの言うように、少しは守備もできると思う。素晴らしい選手ではあり続けるだろうけど、これまで以上の活躍ができるかは疑問。彼自身の考え方やチームの扱いも少しずつ変わっていかなくてはならない。毎日、MVPや殿堂入りやプレーオフを狙って全力でプレーすることはできないと思う。そうした結果は、彼がうまく無理せずにやっていくことでついてくるんじゃないかな。
長くやり続けるためには、歳を重ねるにつれて、変化も大きくしていく必要が出てくる。大谷が40歳までプレーするには、パワーを維持してホームランを打ち続ける必要がある。簡単ではないと思う。代理人のネズ・バレロは、大谷が来年の開幕日に打者として復帰できると断言していたけど、どうだろうか。
みんな楽観的なことを言うけど、靭帯損傷や23年シーズンの最後に負った斜角筋の怪我は、プレーのしすぎやスイングが力強すぎたからかもしれない。大谷のような選手でさえ、長くプレーするには加齢に適応せざるを得ないのが野球なんだ。
ディラン その点に関して、22年に規定打席と規定投球回数に達した時、大谷は「到達したのは良いことだけど、毎年それを目指す必要はない」と言っていた。ある程度、妥協することは厭わないんだと思う。あそこまでプレーしたのは、エンゼルスに必要とされていたからだと思う。彼が頑張らなければ、エンゼルスには勝つチャンスすらなかったからね。
ドジャースに入った今は、「君には10月に頑張ってもらう必要がある」と、首脳陣も無理はさせないだろう。そうしたちょっとした違いが選手寿命を伸ばすと思う。