「レッドデビルズ関係者のコメントは可能性の1つを語ったもので決定事項ではない。ウリアス本人が最終的に目指すのはMLB復帰。バウアー同様、(日本で)投げられることをアピールして獲得に手を挙げる球団を待つしかない」(MLBアジア地区担当スカウト)

 昨年は元サイ・ヤング賞右腕のバウアーがDV問題の影響でMLBで所属先が見つからず、NPBのDeNAでのプレーを選択した。19試合に先発して10勝4敗、130奪三振、防御率2.76と健在ぶりをアピールしたが、オフになってもMLB球団が獲得に乗り出したという話はない。

 そのため、現在はレッドデビルズと短期契約を結び、獲得する球団が現れるのを待ってプレーしているという状況だ。ウリアスもバウアーと同じく「日本で結果を残して……」という目論見もあるだろうが、獲得にはリスクも伴うだろう。

「バウアーはNPBを腰掛けに考えていたのだろう。DeNA側は今季も必要戦力として交渉しているようだがシーズンが開幕しても進展があるという情報はない。ウリアスも似たような状況が予想されるので、NPB球団が獲得するには余程の覚悟と割り切りがないと難しいかもしれない」(スポーツマネージメント会社関係者)

 バウアーは昨年10月、2021年に性的暴行を受けたと告発していた相手女性との和解が成立。しかしMLBはコンプライアンスに厳しく獲得に手を挙げる球団は現れていない。今はのらりくらりとMLB側の動きを待ち続けている状態だ。

「結果論になるがバウアーという悪い例を作ってしまった感もある。米国に比べNPBはコンプライアンス意識が低く、契約条件もそこまで悪くなかった。問題を抱えた選手の駆け込み寺に利用されそうな懸念すら覚える」(MLBアジア地区担当スカウト)

 バウアーは「リーグ最低年俸(74万ドル/約1億1000万円)でプレーする覚悟もできている」(2月2日、ポッドキャスト番組『PBD Podcast』)と発言し、何が何でも米国でプレーしたいという気持ちを表明しているが、思い通りに事は進んでいない。米国ではDV問題が想像以上に厳しく見られているという証左だろう。

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NPBは“DV選手”に甘すぎ?