一方、大谷選手は水田に囲まれた岩手県・花巻東高校の野球部で頭角を現した。
「ロイは100%野球を愛した純潔な人間でした。大谷もそうです。日本ハム時代、試合が終わると、選手たちは飲みに行ったり、女性と遊びに出かけました。でも、大谷は違った。自分の小さな部屋に戻って野球のトレーニングをした。ロイも大谷も歴史に残る野球選手になるのが人生の目的でした」
神がかったプレーだけでなく、プライベートついては徹底して秘密主義を貫いていることも、二人は似ている。昨年、大谷選手はMVPを受賞した際、写真に写る愛犬の名前をしばらく明かさなかったことが話題になった。結婚発表も唐突だった。
「2月に突然、結婚を発表するまで、みんな大谷に彼女はいないと思っていた。彼がプライベートをとても大切にしたいという気持ちは理解できます。でも例えば、彼女と一緒にバスケットボールをするような動画を公開してもよかったと思います」
「60ミニッツ」に出てほしい
ホワイティングさんは、大谷選手を「スポーツ賭博をやるようなタイプの人間ではない」と見る一方、米国でどんな生活をしているのか全くわからないことが、「大谷選手の違法賭博への疑惑につながっている」と指摘する。
「大谷はすばらしい野球選手です。でも、何かを隠していると思っている人は少なくない。では、どうすれば現状を打開できるか。ぼくが一番いいと思うのは『60ミニッツ』という番組に出演することです」
CBSの「60ミニッツ」は米国で高い信頼と人気のある調査報道番組だ。
「番組スタッフが毎日、大谷が朝から晩までどんな生活をしているかを伝える。そこに大谷のインタビューも盛り込む。理想を言えば、水原と二人で30分ずつ番組に出る。それが大リーグにとってもベストだと思うんです」
今回の違法賭博疑惑がどう決着するか、現段階ではまだ予測できない。
「もしかしたら、大谷はこれまで築き上げてきたものを失う結果にならないとも限らない。いずれにせよ、今回の事態はとても残念です」
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)