3月18日、MLB開幕前の韓国代表とのエキシビションマッチでの大谷選手と水原一平
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 半世紀以上、日米両国の野球を見てきた作家ロバート・ホワイティングさん。日米文化比較の視点から日本プロ野球を論じた『菊とバット』(1977年)は両国で高い評価を得た。以降も『イチロー革命』『海を越えた挑戦者たち』『なぜ大谷翔平はメジャーを沸かせるのか』など、日本人大リーガーの活躍を書いてきた。ホワイティングさんの目に、元通訳の水原一平氏の違法賭博疑惑に巻き込まれた大谷選手はどう映っているのか。

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「まさか、こんなことが起こるなんて想像もしませんでした」

 ホワイティングさんは慎重に言葉を選びながら、つぶやくように語った。

「大谷の人生はまるで小説か映画のようです。少年時代から野球の腕を磨き、大リーグの名門ドジャースに入団。2月に結婚も発表した。理想的な野球人生を歩んできたと、誰もが思っていた。それが突然、違法賭博疑惑に巻き込まれた」

 前人未到の二刀流に加え、全身全霊で野球に打ち込む姿は米国でも尊敬されてきた。“パーフェクトベースボールプレーヤー”。そう感じていた米国人は多かったという。

「ところが、3月25日(現地時間)の記者会見以来、『何かがおかしい』『大谷は隠し事をしている』と思う人が増えました。とても残念です」

最初は大谷に同情的だった

 水原氏は3月19日に行われたスポーツ専門局ESPNのインタビューで「スポーツ賭博で負った借金の肩代わりを大谷選手に頼んだ」と語った。

「大谷にとって水原は単なる通訳ではなく、大切な友人でした。アメリカのファンたちも二人の関係をよく知っていましたから、『大谷は友だちのために金を払った』と、理解されました」

 しかし翌日、水原氏は「大谷選手は自分の借金について知らず、大谷選手本人は送金していない」と説明を一転させた。

「普通のアメリカ人は、水原が大谷の知らないところで彼の口座にアクセスできる権限を得ていたという主張を不自然だと思いました」

 というのも、米国政府は不正送金やマネーロンダリング防止のため、2005年にインターネットバンキングや電子送金の手続きを強化。ユーザーIDとパスワードだけでは口座にログインできないようになっているからだ。

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大谷のカネは麻薬カルテルへ?