センバツ甲子園でも活躍した報徳学園・今朝丸裕喜

 プロ野球のペナントレースが3月29日に開幕したが、高校、大学、社会人、独立リーグと各カテゴリーの公式戦も始まり、ドラフト戦線が動き出す時期がやってきた。特にセンバツ高校野球に出場した選手は多くのスカウトも視察しており、大きく評価を上げた選手もいるはずだ。まだまだここから当然評価は変動するが、現時点でのトップ10を投手、野手に分けて紹介したいと思う。今回は投手編だ。

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■10位:浅利太門(明治大・右投)

 東京六大学で注目を集めている大型右腕。これまでの登板は全てリリーフで、通算2勝と実績は乏しいが、軽く投げているようでも150キロに迫るスピードがあり、まだまだ伸びそうな雰囲気を感じる。この春のオープン戦では先発も任されて好投しているのもプラス要因だ。素材の良さは一級品だけに、最終学年でのブレイクに期待したい。

■9位:坂口颯翔(国学院大・右投)

 今年の東都大学野球を代表する実戦派右腕。1年秋にいきなり5勝をマークし、その後は怪我で不本意なシーズンもあったが、常に安定した投球を続けている。真上から腕を振ることができ、スピードガンの数字以上に勢いを感じるボールが持ち味。ブレーキ抜群のチェンジアップやカーブで緩急も使える。先発タイプとして貴重な存在と言える。

■8位:川勝空人(生光学園・右投)

 四国で注目を集めている最速153キロ右腕。上半身の力が強いフォームで制球はアバウトだが、たくましい体格と馬力は高校生離れしたものがあり、試合終盤でも150キロ近いスピードをマークする。強気に内角を攻められるのも特長だ。ストレートの力は申し分ないだけに、変化球と制球力が向上すれば、目玉の1人となる可能性もあるだろう。

■7位:寺西成騎(日本体育大・右投)

 星稜では入学直後から注目を集めた大型右腕。怪我で投げられない時期が長かったが、昨年ようやく復活し、春は5勝をマークしてMVPと最優秀投手に輝いた。バランスの良いフォームでスムーズに高い位置から腕が振れ、ボールの角度と勢いは申し分ない。この春はまだオープン戦でも登板がなく出遅れており、ここからの復調が待たれる。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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高校時代から注目の右腕は大学でも成長