――震災から13年が経ちました。復興への道筋をどう感じるでしょうか。
福島の原発の処理水、廃炉作業の行方などまだまだ解決の道筋が立っていない問題が多いです。福島県産の食品を輸入規制している国はまだありますし、ネガティブなイメージがまだまだぬぐい切れていない。食品中の放射性物質が安全の数値を示しても、安全と安心は違う部分がある。時間はかかるかもしれませんが一人でも多くの方に福島県産品を食べてもらいたいですし、福島の復興、再生に一生をかけたい。環境省の「福島環境・未来アンバサダー」の第1号として活動させていただいたり、原発の損害賠償の広報に携わっていますが、福島の若者に明るい未来を見せたいという思いが強いです。エベレスト登頂もそうですが、福島に元気と勇気と夢と希望と笑顔を届けるのが生きがいですね。
迷惑を掛けないように
――東日本大震災以降、16年の熊本地震、18年の西日本豪雨、今年の1月に起きた能登半島地震のボランティア活動に参加しています。
東北が被災した時に、日本だけでなく世界中に助けていただいたので、少しでも手助けできればと思って現地に入っています。最近は毎年のように災害が起きているので心配です。能登半島地震では、富山の氷見市に行きました。液状化の被害があった地域で石を取り除く作業をしたりしましたが、僕はボランティアのスキルが高いわけではないので、被災地に迷惑を掛けないように動くことを心掛けています。石川県の災害ボランティアにも事前登録しているので、お役に立てるタイミングが来たら現地入りしたいと考えています(取材当時。その後ボランティアに参加)。