最新アルバム「THE GREATEST UNKNOWN」でリアレンジした楽曲をさらにライブ用にビルドアップした。写真はギター・ボーカルの常田大希(撮影/Kosuke Ito)

 1月から初の5大ドームツアー「King Gnu Dome Tour『THE GREATEST UNKNOWN』」を開催したKing Gnu。約5万人が熱狂した東京ドーム公演(1月28日)をレポートする。AERA 2024年4月1日号より。

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 約5万人のオーディエンスで埋め尽くされた東京ドーム。アニメ「呪術廻戦」第2期「渋谷事変」オープニングテーマとして大ヒットした「SPECIALZ」のイントロが響いた。井口理(Vo/Key)と常田大希(Gt/Vo)の歌が交差し、ソリッドなバンドサウンドと共にエッジーな音像を築いていった。

 2曲目は「一途」。映画「劇場版 呪術廻戦0」の主題歌だ。新井和輝(Ba)のハンドクラップに合わせて5万人が手拍子。性急なバンドサウンドがドライブしていく中、井口と常田の熱量のこもった「あなたにあげるよ 全部全部」というシャウトが轟き、井口が「盛り上がろうよ!」と口にした。常田のラップのような歌が聴こえ、「千両役者」へ。井口と常田が言葉を矢継ぎ早に吐き出し、さながらラップバトルのようなスリルを展開した。もちろんオーディエンスは腕を突き上げて大歓声を送った。勢喜遊(Drs/Sampler)の激しいドラミングが響き、4人のスキルフルなプレイが摩擦を起こし、東京ドームの温度を右肩上がりに高めた。最初からフルスロットルだ。

 スタジアムで鳴ることを想定して作られた2022年NHKサッカーテーマソング「STARDOM」ではステージから炎が上がった。井口が「歌おう!」と呼びかけ、5万人の合唱が響くが、井口が「聞こえないよ!」と言って、さらに大きく歌うことを要求。大合唱でドームが揺れた。サッカー選手とオーディエンスの共闘関係が勝利に手を伸ばすことに繋がるのと同様、King Gnuとオーディエンスの間には共にライブに向けて炎を燃やし、この日だけの特別なライブを作り上げようという共闘関係が結ばれているようにも見えた。

東京ドームに集った5万人のオーディエンスを熱狂させた。写真はボーカル・キーボードの井口理(撮影/Kosuke Ito)

映像の中に生きていく

 最新アルバム「THE GREATEST UNKNOWN」の冒頭を飾るインストナンバー「MIRROR」が不穏に響き、「CHAMELEON」「DARE??」と、アルバム通りの曲順で披露。未発表曲「Vivid Red」を挟んで、日本中を心酔させた井口の美しい歌声が響いた。メジャーデビュー直後のKing Gnuの名を一躍知らしめた「白日」だ。

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