King Gnuのサウンドを支えるベースの新井和輝(撮影/Kosuke Ito)

 井口がこの日のライブが映像化されることを告げ、「俺ら100年後は誰も生きてないかもしれないけど、見知らぬ人が映像を見て『こんな最高の日があったんだ』って思うかもしれない。ここにいる全員が映像の中に生きていくって、夢あるでしょ。今日は伝説作りましょうよ!」と口にした。

 ロックバンドだからこそ生み出せる最大級の熱狂と摩擦が放たれ続け、伝説のライブとしてのムードがどんどん高まっていった。とりわけ盛り上がったのが、中盤の「W●RKAHOLIC」、millennium paradeの「W●RK」「):阿修羅:(」の流れだ。

 ステージから火花が上がり、常田の鋭いボーカルが響いた「W●RKAHOLIC」を終えると、ステージ中央に金髪にサングラス姿の椎名林檎が登場。「W●RK」の演奏がスタートし、拡声器を持った常田が椎名の周りを縦横無尽に動きながら、ラップを披露。片腕を上げて、サングラスを外し、颯爽とステージを後にした椎名の姿に常田の「椎名林檎!」というシャウトが重なった。続く「):阿修羅:(」は呪術のような趣を宿したKing Gnuの楽曲の中でもプログレッシヴな楽曲だが、5万人はさらに熱狂した。

激しいドラミングで魅せる勢喜遊(撮影/Kosuke Ito)

 King Gnuはアルバム「THE GREATEST UNKNOWN」に既発曲を収録するにあたり、新たなアレンジを加え、完璧なアルバムとして作り上げた。この日のライブで披露された曲もドームツアーに相応しい新たなアレンジが施されていた。

 大事な核を強固にしながらも、時代と共に音をアップデートしていくことで楽曲に新しい生命力を宿すKing Gnuの矜持が至る所から垣間見えた。常田が拡声器を持ってパフォーマンスする初期の代表曲「Slumberland」もまた新しい魅力を宿していた。

 井口は万感の表情で「最高!」と口にした後、「皆さんが今日を迎えるためにどんな気持ちで臨んできたか伝わりました! ありがとう」と感謝を伝えた。

暮らしとモノ班 for promotion
【フジロック独占中継も話題】Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでチェックしてみよう
次のページ