ショットが復調していることはスタッツを見ても明らかだ。グリーンを狙うショットのスコア貢献度を示すストロークゲインド・アプローチ・トゥ・グリーンを見ると、ファーマーズインシュランスオープンで11位になると、アーノルド・パーマー招待で13位。そしてザ・プレーヤーズ選手権では6位となった。
今年のストロークゲインド・アプローチ・トゥ・グリーンは38位と平凡だが、これは、ファーマーズを除いた今年初頭の同ランクが50位前後だったことが影響している。直近3大会はこのスタッツが示す通り、グリーンを狙うショットがスコアメイクに結びついており、上位につける要因の一つとなっているようだ。
そして、グリーンの端から30ヤード以内のショットのスコア貢献度(グリーン上のプレーは含まない)を示すストロークゲインド・アラウンド・ザ・グリーンを見ると、松山のそれはアプローチ・トゥ・グリーンの上を行く。出場8試合中2大会(ファーマーズインシュランスオープンとWMフェニックスオープン)でトップの数字。この他、優勝したザ・ジェネシス招待など3大会ではトップ10に入っている。こうした数字が奏功し、今年のストロークゲインド・アラウンド・ザ・グリーンはトップの成績を残しているのだ。
さらに、ショット全体のスコアに対する貢献度を表すストロークゲインド・ティー・トゥ・グリーンは3位。ストロークゲインド・パッティングが134位とグリーン上では今一つとなっているだけに、松山がショットを武器に上位争いをしていることが分かる。
では上記のデータを見た上で、松山はマスターズでメジャー2勝目を挙げることができるのだろうか?
マスターズの舞台となるオーガスタ・ナショナルGCは、「ガラス」とも表現されるグリーンの速さと難易度の高さが有名だ。パターがボールに触れるだけで、場所によってはグリーンオーバーしてしまうほどのスピードがある。みなさんも、グリーン上で苦悶するトッププレーヤーを何度も見てきたことだろう。マスターズで勝つにはパットのスキルが高くなければならないと言われるが、それにはこうした要素があるからだ。