ドカンともうけようとせず地道に売る努力が奏功

 ファミマに入店した際、まず目に入ってくる主役は食品だ。どんなに話題になっても、アパレルはこぢんまりと置かれている。ヒットに気を良くして、バリエーションを過剰に増やすことは避けられている。

 小売業界をよく知る新聞記者も「ドカンともうけようとせず、地道に売る努力をしている」とファミマの衣料品事業を高評価していた。今回のスウェットの人気ぶりも、そうした施策が奏功したといえる。

 商社のコンビニ経営といえば、かつては「水産事業でマグロが獲れ過ぎて困っているから、加工品を系列のコンビニで売ってくれないか」(商社幹部)というような「むちゃ振り」があったと聞く。親会社の強い影響下に置かれていることを示すエピソードである。

 だが今のファミマと伊藤忠は、そうしたいびつな関係性ではなさそうだ。「商社にコンビニの経営はできない」などと散々いわれたが、時代が変わったということだろう。

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