えっ。これ、どんな気持ち(gettyimages)

真意は目、耳、ひげにあらわれる

 多数の表情の意味を見分けるうえで大きなカギになったのは、耳、目、ひげだ。

がお互いに好感を持っているとき、耳とひげは、まるで相手を触ろうとするかのように、前に向きます。相手と関係を築きたいのですね。目を閉じたりもします。相手を信頼しているからこその行動です。おなかをさらけだすのも同じです」

 相手に好意を持っていないときは、その逆が起きるという。

「耳は後ろに向き、目は大きく見開き、口は開いて、これから起きるかもしれないことに備えます。違いは明白でしょう。これらを知っていれば、たとえば家に複数の猫がいるなら、猫たちの間で何が起きているのかを理解するうえで役立つはずです」

 ブリタニーさん自身も、猫2匹と暮らしている。2匹目はやってきたばかりとあり、この研究はとてもプラスになった。

「最初に2匹を引き合わせたときは、どちらもさまざまな表情をたくさん見せてくれました。そのどれが友好的でどれが違うのか、研究のおかげで知っていたのは非常にためになりましたね」

 2匹の関係性はどう変化しましたか?

「幸いにも良い方向に変化していき、今では彼らは親友です。猫は昔から好きでしたが、子どもの頃は家に犬がいたので、猫と暮らすのはこの子たちが初めて。猫を飼いたいけれど迷っている人に、私たちの研究が参考になったなら、光栄ですね」

仲良しですよね(gettyimages)

獣医師からも感謝の声

 2人の研究には世界中の猫好きから多くの反響が寄せられ、科学の専門誌からCNNまで多くのメディアにも取り上げられた。

「獣医師からも感謝の言葉をいただきました。自分の研究に多くの人が共感してくれたのはうれしいこと。猫と暮らしている人なら、自分の猫が感情を持ち、何かを表現していることは知っていたでしょうが、とうとう科学がそれを証明したんですよ」

 研究はまだ終わっていない。今回は成猫同士の交流に焦点を当て、子猫は対象にしなかった。

「子猫はまだ予防注射が終わっていないという事情もあったので。でも、猫も含め、哺乳類は最初の1年にたくさん遊び、他者との交流について学びます。子猫はとてもアクティブですし、非常に多くの表情をつくり出しているでしょう。誰と誰が一生の友達になれるかを見分けられるようになれたら、すばらしいですね」

(ライター 猿渡由紀)

※「NyAERA2024」から抜粋

これは、どんな気持ち?(gettyimages)
キレてますよね、うん(gettyimages)
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