そして、今回、それからわずか3カ月も経たないうちに、積み残した次期戦闘機の第三国輸出を可能にする変更が行われようとしている。
ここでも、一度は2月中に決定という相場感を現場で作らせながら、土壇場で山口代表が「次期戦闘機の第三国輸出を無限定でやることになれば、あらゆる武器が輸出できるようになることにつながる懸念もある」などと発言して反対の姿勢を示した。「平和の党」を演出する狙いだ。しかし、最終的にはこれを認めることになるはずだ。
現に、岸田文雄首相が3月5日の参院予算委員会で、第三国への輸出解禁の必要性を説明したのを受けて、山口代表は記者会見で、「かなり丁寧に、できるだけわかりやすく説明しようという姿勢で答弁された」「国会論戦の場で丁寧な発信をしたことは良い機会だった」などと評価し、「党内でもこれを受け、しっかり理解と議論を深めていくことが大事だ」と語っている。やはり最初から輸出解禁を認めるつもりだったのだ。
今後も、いかに公明党が「抵抗したか」を印象付けるパフォーマンスが行われる可能性はあるが、結論は変わらない。
それが公明党の騙しの手口である。
公明党は「平和の党」であったはずだ。しかし、実際には、自民党と連立を組むことによって、集団的自衛権の行使容認という憲法違反の政策や武器輸出三原則という日本の平和主義の根幹をなす規範の破壊に協力してきた。公明党がいくら言い訳をしても、これまでの実績を見れば、同党は、今や日本が戦争大国への道を進むための原動力の一部になってしまったと言われても仕方ないだろう。
もちろん、公明党が自ら積極的に戦争への道に突き進んできたとまで言うのは言い過ぎだ。正確に言えば、自民党が前のめりになるたびに慎重姿勢を示して、いかにもこうした動きに反対する姿勢を見せながら、多少の制約をつけたり、時期を少し遅らせたりするという役割を果たしてきたというのが公平な評価であろう。