大学出身や外国人力士が多くなると、やっぱり揉めることも多くなる。特に大学出身だと後援会やパーティーに大学関係者が名を連ねるだろう。ご祝儀の額も大きくなるし、親方が“ぽっぽないない”しちゃうことも多いし、力士からしたら「俺の大学の関係者のご祝儀だから俺のものだろう」って思いも強くなるってもんだ。

 相撲取りはきれいな顔してケチなところがあるからね。化粧回しの裏は汚いふんどし一丁でみっともないのと同じ、見た目はきれいだけど、そのすぐ裏はずいぶん汚いこともあるってね。

 それに最近は相撲部屋のしきたりや慣習もずいぶん無くなっているんじゃないか。あの大横綱の大鵬さんでさえ、ずっと相撲部屋に住んでいてそこで食事をしたりしていたけど、今はちょっと出世すると自分の家を持って、そこに帰るだろう。親方でさえそうだ。

 元・白鵬の宮城野親方だって稽古が終わったら部屋のことはほかの力士に任せて、自宅に帰っているっていうじゃないか。昔は親方が部屋だろうが、巡業先の寺だろうが、なにかあったら対応しなきゃいけないって、必ず力士と一緒にいたもんだ。

 時代や育った国の違いもあるだろうけど、日本人力士ですら相撲部屋というものに対する思い入れが薄くなっているんだね。親方株や年金という相撲のシステムにはつくけど、共同生活、共同体という相撲の慣習は受け入れられないなんて、俺からしたらずいぶん勝手気ままなんだなって信じられないよ。

プロレス界はショボい

 相撲の世界ではお祝い事は景気のいい話が多いけど、プロレスはそういうことがないね。ショボいの一言だ。まあ、プロレスは相撲と違って興行会社だし、パーティーするって言っても、相撲のように後援会やスポンサーが相手じゃなくて、あくまでもファンが相手だからね。

 だったらパーティーじゃなくて「〇〇記念大会」って興行を打った方がファンは嬉しいし、収益にもなるってもんだ。プロレス界ではお祝い=パーティーじゃなくて、興行なんだよ。プロレス界でパーティーを開いて人を集められるのは、ジャイアント馬場さん、アントニオ猪木さんが最後だったんじゃないかな。

 プロレス界で唯一出席していたパーティーといえば、東スポ主催のパーティーだけだね。東スポに嫌われると記事を書いてもらえないから(笑)。そのパーティーも会場中央に食事台が置かれて、そこを境に新日本プロレスと全日本プロレスがきっちり分かれて、お互い一言も話をしない。パーティーなのに(笑)。

 俺たちも「新日本の野郎」ってライバル視していたし、向こうも同じだっただろう。唯一例外は、日本プロレス出身で、新日と全日に分かれた人たちだ。彼らは「最近どう?」なんて、団体の垣根を超えてしゃべっていたよ。

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?
次のページ