対して日本は、夫は夫の交友関係を持ち、妻は子どもがいる場合は、ママ友コミュニティを中心に交友関係をつくります。基本的に、子どもの幼稚園や小学校の学校イベント(保護者会やPTA役員など)、子の交友関係や学業関係は母親が担います。また子どもがいなくても、母親や姉妹との外食や旅行、友人との「女子会」など結婚前からの親密関係が続くことが多く、女性同士のコミュニケーションが活発です。そこに夫が新たに加わることはめったにありません。
一方で夫は、仕事での交友関係がまずは重視されます。さらに、会社の人との飲み会や休日のゴルフなど、仕事の延長ともレジャーともつかない活動で仕事以外の時間を過ごすことが多いのです。つまり、余暇の時間も夫と妻で分かれているのが、従来の典型的な夫婦の時間の使い方でした。
時間だけでなく「愛情」すらも、日本では分散されがちです。日本の新橋や新宿などでは、サラリーマン(男性ばかり)が盛り上がり、キャバクラやクラブに繰り出す姿がよく見られますが、これも海外の人々からは大いに驚かれる光景です。そう、日本の男性(夫)は、愛情や関心を家族や妻へ100%注力しなくてもいい。キャバクラやクラブ、アイドルの推し活やゲームなど、多方面に分散できる社会なのです。一方で女性(妻)の側も、持てる愛情をすべて夫に傾けるよりは、子どもや母親や姉妹、女友だちやアイドルの推し活やペットなど、多方面に分散投資することで、日常を心穏やかに過ごすことができるのです。