支払いは当日前払いが基本だが、海外の場合には、未払い防止のため、預かり金として総額の10~50%程度を渡航前に支払ってもらうこともある。お金のやり取りは、現金、オンライン決済サービス、海外口座への振込などさまざま。ただ現金の場合は、日本に持ち帰れる金額に上限があるため、信頼できる現地の客や知人などに預け、振り込んでもらうなどしている。マリエさんは、オンライン送金サービスで法人アカウントを持っていることもあり、まとまった額を度々動かしても、これまで疑いの目を向けられたことはないという。
「長いお客の中には、航空券やホテルを手配してくれたり、スポンサーになってくれる人たちがいます。そうした信頼できる人に、送金関係のお願いをすることもあります」
コロナ前までは、各国を転々として稼いでいたが、現在の主戦場は「手堅く稼げる」という欧米とアジアの3カ国。一度のツアーの目標額は5万ドル(約725万円)で、今までで一番稼いだのは2週間で約270万円を支払った客の時だった。現在の固定客は40人ほどだという。
「日本での風俗の仕事は、安い単価で数をこなして稼ぐというのが一般的ですが、例えばアメリカ、ドイツ、シンガポール、香港あたりでは、1回の単価の相場が日本の約3倍。そもそもの単価が高いのに加えて、日本人はサービスが良いので、さらに稼げる可能性がある。日本人は、きめ細かで質が高いと評判がいいんです。海外で現地の客を相手に仕事をしている性風俗業の日本人女性はまだまだ少なく、人気が高いのにレアで、いわばブルーオーシャン。効率よく稼げるし、今の仕事を続けるなら、これ以上ない働き方で気に入っています」