「彼女は3日間で700万円を稼ぐ人で、仕事に対する意識も稼ぎ方も、日本人のそれと大きく違って憧れました。彼女は自分にとてつもない自信を持っていて、全く自分を疑っていない。それが彼女の“あり方”から見て取れました。例えば、日本の風俗嬢だと、お客から大金をもらったら、それに見合ったサービスを提供しないといけないと思って必死になると思うんです。でも彼女は、“私と過ごす時間そのものに価値がある”と本気で思っているから、大金を払った客の前で、優雅にお茶を飲んだりできる。普段から自分のために人が動くことが当たり前な富裕層の客ほど、それを面白がるしリピーターになる。私も彼女のように、仕事も収入も成功したいと思ったし、もっと広い視野でこの仕事をしてみたいと思いました」
この女性の影響もあり、マリエさんは富裕層の客を獲得するための方法の一つとして、ブランディングを徹底してきた。ファッショナブルで、ハイエンドな世界観のホームページやSNS。昔からモードファッション雑誌や芸術が好きで、自分の中に自然とそうした美意識が根付いていた部分もある。
ただ、先の彼女と大きく異なるのは、ブログやツイッターと同じく、自分の顔がわかるような写真は決して載せないこと。足元や手元だけの写真や後ろ姿、横顔など、スレンダーで引き締まった身体の持ち主なことや、容姿が美しいことは想像できるものの、「一体どんな人なんだろう」と思わせる写真を載せる。客の想像力を掻き立てる仕掛けだ。