元テレビ朝日のアナウンサーで、現在は「完全フリーランス」として働く宇賀なつみさん(37)。【前編】では、フリーになった理由や宇賀さん流の“働き方改革”などについて話をしてもらった。【後編】では、体調不良者が続出している局アナの働き方や、女性として将来どのような人生を歩んでいきたいかなどについて聞いた。
※【前編】<元テレ朝アナウンサー「宇賀なつみさん」が“完全フリー”を決意した日 「芸能人になりたいわけではない」>より続く
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「あの日、感じたことが、本質だったんじゃないかなって思うんです」
「あの日」とは、テレビ朝日に入社した初日の2009年4月1日のことだ。
その日、宇賀さんは「報道ステーション」の気象キャスターとしてデビューした。雷が鳴る土砂降りのなかでの中継だった。
「原稿も雨でぐしゃぐしゃになっちゃって、どうしようって思ったときに、カメラマンさんや照明さん、ディレクターさんが、ずぶぬれになりながらも私の初回の放送を成功させるために必死になってくださっている姿が目に飛び込んできたんです。その瞬間に、私は自分のことだけ考えてたんだって気がついて、すごく恥ずかしくなりました。右も左もわからないけど、今日は、目の前にいるこの人たちのためだけに乗り切ろうと思いましたね。そうすると、自然と緊張が解けていました」