宇賀なつみさん(撮影/写真映像部・上田泰世)

“女性の生き方”という言葉への疑問

 また、ランキングは一つの指標であって、それだけに縛られることは違うのではないか、とも思っているという。

「ジェンダーギャップの話題のときによく『女性活躍』という言葉が使われますが、『活躍』と一口に言っても、どう活躍したいかは個人によってさまざまですよね。一人一人が 幸福を追求した結果、ランキングが上がっていくっていうのが一番理想的だとは思いますが、これはなかなか難しい。だとしたらやはり、順番を逆にして仕組みから変えていく必要があると思います。それから、『日本はジェンダーギャップ125位だからけしからん!』と声高に言うだけでは伝わらない人も多いと思うので、経済の活性化や人手不足解消など、あらゆる問題と合わせて解決を目指していくしかないのではないかと。より良い社会にしていきたいという願いは皆さん共通しているはずなので、大人としての議論ができる世の中になるといいのではないでしょうか」

 最後に、「一人の女性として、これからどのような人生を歩んでいきたいと思っているか」を聞いた。宇賀さんは「そもそも“女性として”という必要があるのかってすごく考えます」と言う。

「もちろん生物学的な性差はあるんですけど、性別の持つ意味がだんだん小さくなっていると感じています。それは、婚姻歴のあるなしとか、子どもがいるいないとかも同じで。出身地とか生年月日のように数あるプロフィルの中の一つにしかすぎなくなってきているなって思うんです。なので、“女だから“こう生きたいとか、そういうことは全くないです」

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生き方のお手本は「祖母」