宇賀なつみさん(撮影/写真映像部・上田泰世)

「機嫌良くいること」が大切

 しかし、お手本にしている生き方はあるという。それは92歳の宇賀さんの祖母のような人生だ。

「私の祖母は、子育てが落ち着いた50歳から英会話を習い始めて、それから海外にたくさん行って、70歳のときに単身、イギリスをバックパッカーで回ったような人なんです。祖母を見ていると、私は70(歳)まではどこにでも行けるって思いますし、ちなみに、80歳でボケ防止にマージャンを始めて、最近ついにLINEを始めたんですよ。目の前に一つ階段があったら、一段上ってみようっていう人で、年齢とか状況を絶対言い訳にせず、常に挑戦しているんです。それから、いつもニコニコしていて機嫌がいいんですよね」

 祖母を見ていて、宇賀さんは敬愛する作家、田辺聖子さんの言葉を思い出すという。

「どこでおっしゃっていたかは忘れてしまったのですが、田辺さんが『人間の最上の徳は、人に対して上機嫌で接すること』ということをおっしゃっていて。祖母を見ていると、やっぱり機嫌良くいることが立派であることとか偉くなることよりも、自分のためにも周りのためにもなるなって。私も祖母のような人でいたいですね」

(AERA dot.編集部・唐澤俊介)

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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