佐久間香織さん(右)と小笠原隼人さん(撮影/楠本涼)

 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2024年3月4日号では、エフライフのデザイナーの佐久間香織さんとエフライフ代表の小笠原隼人さん夫婦について取り上げました。

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夫32歳、妻30歳で結婚。福島県郡山市で2人暮らし。

【出会いは?】夫が東北の被災地を旅し、郡山のコミュニティースペース「ぴーなっつ」を訪れた時に妻と出会う。2カ月後、夫が東京から移住。インタビューサイトを立ち上げ、運営に妻も参加。

【結婚までの道のりは?】様々な事業をともにするうちに信頼関係が深まる。夫が運営するシェアハウスの集いで妻が料理を担い、更に仲良くなる。3年ほどして交際、その約3年後に夫からプロポーズ。

【家事や家計の分担は?】料理はほぼ妻で、家事の7~8割を妻が負担。個人の財布は別だが、会社を一緒に経営しており、それぞれの役員報酬を相談して決めている。

妻 佐久間香織[37]エフライフ デザイナー

さくま・かおり◆1986年、福島県生まれ。郡山女子大学短期大学部卒業。デザイン事務所勤務などを経て2015年からフリーランスに。夫が立ち上げた会社を一緒に営み、デザイン制作をはじめ、福島のお酒とおつまみの定期購入サービス「fukunomo」の制作や顧客対応などを担う

 郡山は震災時、避難した人たちを受け入れる場所でした。

「ぴーなっつ」を拠点に避難先としてできる活動をする中で、隼人さんは地元の目線だけでは考えつかない発想をどんどん出して実行し、エネルギーがめちゃくちゃある人だなと。新しく生み出すのを一緒にやれる相手だと感じて、自ら巻き込まれにいくように。

 最初に火種をくれるので私も燃えられる。そうできるのがありがたいと常に感じます。

 起業も一緒に働くのも抵抗はなかったです。どの働き方でも企画と制作のユニットでできると思ったし、不安がないからまあいっかと(笑)。

 私たちのベースには人とご飯を食べるのが好きなのがあって、運営している福島の地酒の定期便「fukunomo」を通した交流もそうです。

 大切にしたいものを大切にしていく。生き方でもあるところを経済活動につなげるのは難しいですが、仕事も生活も一緒の私たちだからこそできると思っています。

 隼人さんには来てくれてありがとうという気持ちです。

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