参賀者の目に触れる正式なお出ましはここまで。しかし、午後も天皇、皇后両陛下が出席する行事がびっしりと詰まっている。
13時過ぎからは、再び正殿「松の間」で、岸田首相をはじめ三権の長からのお祝いをうける「祝賀の儀」が行われた。
「皆さんからの丁重な祝意に深く感謝いたします」
天皇陛下はそう、お礼を伝え、国の発展と国民の幸せを願うと述べた。
続いて隣の「竹の間」で、元宮内庁長官など元幹部や元職員といった旧奉仕者からのお祝いを受ける祝賀が始まる。そちらが終わるとすぐに、宮殿内で最も広い「豊明殿」へ移動する。外国の大使らが出席する「祝賀の儀」に臨むためだ。次は、「鳳凰の間」である。ここで旧公家による組織の堂上会によるあいさつと祝意を受けた。
一連の行事を終えたのち、今度は車で皇居を出発。64歳の誕生日を迎えたあいさつのために、皇后雅子さまとともに上皇ご夫妻のお住まいである仙洞御所を訪ねるためだ。赤坂御用地に向かう途中、沿道からはお祝いの声が飛び交った。天皇陛下と皇后雅子さまは、車の窓を開けて沿道に向けて、柔らかにほほ笑み会釈をした。
16時、仙洞御所のある赤坂御用地に車が到着。40分ほど上皇ご夫妻のお住まいに滞在した。