2月23日の天皇誕生日は、みぞれが降る厳しい寒さにもかかわらず、皇居・宮殿の東庭は熱気に包まれた。一般参賀で行われる天皇陛下と皇族方によるお手振りは、皇室と参加者との一体感を感じる場面だ。一回のお手振りはわずか4分ほどの時間。だが、ベランダから退出後は宮殿内を移動して祝賀を受けるなど、両陛下にとってこの日は目の回るような忙しさなのだ。参賀者の目に見えないところも含めて、天皇誕生日の両陛下の一日のスケジュールを辿ってみよう。
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9時、天皇陛下と皇嗣である秋篠宮さまは、皇居の宮中三殿で、天皇の誕生日を祝う祭祀の「天長祭の儀」に臨んだ。陛下と秋篠宮さまは、三殿にそれぞれ拝礼する。
明治に始まった祭祀で、昭和の時代は当時の天皇が高齢になったこともあり代理による拝礼だったが、平成に入ってからは天皇と皇太子が拝礼する形に戻った。
かつて天皇家に仕えた人物は、こう話す。
「天長祭の祭祀は、長くても15分ほどです。というのもこの日は行事が詰まっており、すぐに次の予定に向かう必要があるためです」
天皇陛下は、宮中三殿から急ぎ宮殿に向かう。10時から天皇陛下と皇后雅子さまは、宮殿の「鳳凰の間」で宮内庁長官や皇宮警察本部長など宮内庁幹部らからの祝賀を受けるからだ。