10時20分、天皇陛下は国民から祝賀を受けるため、長和殿のベランダにお出ましになった。1回目の一般参賀だ。天皇陛下と皇后雅子さま、長女の愛子さま秋篠宮ご夫妻、次女の佳子さまの6方が一列に並ぶ。能登半島地震へのお見舞いの気持ちを表すためか、ドレスの色は、皇后雅子さまは紺色、愛子さまはブルーグレーのような淡い色と控えめだった。

 天皇陛下がお言葉を述べ、皇后雅子さまや愛子さま、秋篠宮ご夫妻と佳子さまらのお手振りが始まった。参賀者は、肩や頭を濡らしながらも一斉にスッと傘を下げ、旗を高く振って、お祝いを口にする。雨はみぞれに変わり厳しい寒さであったが宮殿の東庭は集まった人びとの熱気であふれている。参賀者と皇室がまさに一体となる瞬間だ。

 ベランダに姿を見せてから、退出するまでわずか4分ほど。しかし、参賀者の目に見えないところで、主役である天皇陛下や皇后雅子さまは夜まで分刻みのスケジュールが続くのだ。

 ベランダから退出して5分ほどで陛下と皇族方はベランダのある長和殿から中庭をはさんだ正殿にすぐさま移動。 

 10時30分、天皇陛下は「松の間」、皇后雅子さまは「梅の間」に入り、それぞれ秋篠宮ご夫妻や皇族方からお祝いを受ける行事が始まる。皇族方からの祝賀を受けたのちは、天皇陛下も皇族方も中庭をはさんだ長和殿に再び戻る。

 11時から、2回目の一般参賀が始まった。

 天皇陛下は一回目と同じように、能登半島地震の犠牲者に改めて哀悼の意を示し、被災者にお見舞いを伝えた。天皇陛下に続いて皇后雅子さまや愛子さま、秋篠宮ご夫妻と佳子さまらが、ほほ笑みながらお手振りをはじめると、東庭はまたもや歓喜に包まれた。 

 退出後、両陛下は長和殿から正殿の「竹の間」へ素早く移動する。そこで11時20分から、元皇族や親族からの祝賀を受けた。息をつく暇もなく、両陛下はベランダのある長和殿へ戻る。このように一般参賀の間に正殿と長和殿の行き来を繰り返しているのだ。

 11時40分からは、最終となる3回目の一般参賀が始まった。 

 今年の冬の厳しい寒さや大雪にも触れて、

「皆さん一人一人にとって、穏やかな春となるよう祈っております」

 とメッセージを伝えた。

 最後の回は、天皇陛下と皇族方が全員、ベランダの中央に寄る「サービス」がある。出席する皇室メンバーがぎゅっと集まる光景を楽しみに、最終回に足を運ぶ常連の参賀者もいるほどだ。

最後の回の一般参賀は陛下と皇族方が中央に集まる「サービス」がある。この光景を楽しみに最終回に合わせる参賀者もすくなくない=2024月2月23日、宮殿東庭(写真映像部・松永卓也/JMPA)
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天皇、皇后両陛下は午後は何をされているのか?