つまりビジネスの場では、英語を学ばないことで損をしてしまう可能性がある。これが英語を学ぶべき二つ目の理由だ。

 では、いまや英語は海外とやり取りするビジネスパーソンしか学ぶ価値がないのだろうか? そうではない。三つ目の理由は、英語を学ぶことが人間関係を良好にすることにつながるからだ。

「単に外国人の友達と話したいという場合でも英語を学ぶ意義はあるでしょう。相手の言語を勉強しているということ自体が、『私はあなたの文化を理解する努力をしていますよ』というメッセージを伝えることになるからです。海外旅行に行ったとき、お店の人から『ありがとう』と言われると、この人は日本のことが好きなのかなと思いますよね。コミュニケーションのためのコストを払ってくれている、という感覚を相手に与えることは大事だと思います」

 AI 全盛期になぜ自分は英語を学んでいるのか――わからなくなったときはその意義を振り返り、学びのモチベーションを維持しよう。

カリス
韓国出身のAI(人工知能)研究者。16歳で東大に合格。テレビで林修さんから会いたいと指名されるなど、いま注目を集めている。

(文/白石 圭)

※『AERA English2022』から抜粋