ブルーノ・マーズが「ヘビーローテーション」カバーで大バズり、テイラー・スウィフトが東京公演の直後にプライベートジェットでスーパーボウル観戦へ──。大物アーティストの来日で洋楽を身近に感じる話題が増えているが、一方で円安の影響等で来日が遠ざかっているバンドもある。メタルファンのライターが現状を分析する。AERA 2024年2月26日号より。
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プロ野球がオフシーズン真っ只中の1月と2月、東京ドームでは多くのコンサートが開催されて賑わっている。その中でも今年顕著だったのが洋楽アーティストの来日公演だ。1月はブルーノ・マーズが実に7公演。ビリー・ジョエルとエド・シーランが1公演ずつ。2月はテイラー・スウィフトが4公演、クイーン+アダム・ランバートが2公演、これに加えてK−POP系の公演も4回行われる予定だ。
特にこの2月、約3時間にも及ぶ熱演を4日連続で披露し、直後にアメリカのスーパーボウルを観戦したテイラー・スウィフトは大きな話題になった。直前にはグラミー賞で4度目となる最優秀アルバム賞も受賞しており、まさに合間を縫っての来日だったわけだが、5年ぶりの日本ツアーでは300億円以上の経済効果とも報道されたほど。
クイーン+アダム・ランバートの来日公演も大盛況だ。こちらは約4年ぶりだったが、昨年末の「NHK紅白歌合戦」出場も話題となり、「クイーン」時代を含めても初のドーム公演は当日昼間のグッズ先行発売から長蛇の列ができた。
メタリカなぜ来れない
一方で、ファンが来日を待ち焦がれながら、なかなか実現しないアーティストもいる。ヘヴィーメタル界隈で特に待たれている筆頭がメタリカだ。
メタリカの来日公演は2013年の「サマーソニック」以来行われていない。単独公演に至っては2010年以来だ。この間にアルバムも2枚リリースしてワールドツアーもコンスタントに行っているが、日本には来ていないのである。