生瀬勝久(なませ・かつひさ)/1960年、兵庫県生まれ。83年から、関西の人気劇団「そとばこまち」に所属し、座長に。俳優のほか、脚本や演出などでも活躍。退団後、ドラマ「TRICK」シリーズ(テレビ朝日系)で一躍人気者に。以降、多数のドラマ、映画に出演。現在、上演中の舞台KERA CROSS 第二弾「グッドバイ」山形公演1月16日、新潟公演18日、広島公演21日、大阪公演23~26日、香川公演28日、愛知公演30~31日、福島公演2月2日、東京公演4~16日。 (撮影/写真部・小山幸佑)
生瀬勝久(なませ・かつひさ)/1960年、兵庫県生まれ。83年から、関西の人気劇団「そとばこまち」に所属し、座長に。俳優のほか、脚本や演出などでも活躍。退団後、ドラマ「TRICK」シリーズ(テレビ朝日系)で一躍人気者に。以降、多数のドラマ、映画に出演。現在、上演中の舞台KERA CROSS 第二弾「グッドバイ」山形公演1月16日、新潟公演18日、広島公演21日、大阪公演23~26日、香川公演28日、愛知公演30~31日、福島公演2月2日、東京公演4~16日。 (撮影/写真部・小山幸佑)
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生瀬勝久さん(左)と林真理子さん (撮影/写真部・小山幸佑)
生瀬勝久さん(左)と林真理子さん (撮影/写真部・小山幸佑)

 NHK連続テレビ小説「ブギウギ」第21週の21日、スズ子(趣里)は、タナケン(生瀬勝久)との映画撮影は最終日を迎える。そのタナケンを演じる生瀬さんは個性派俳優として、多数のドラマ、映画に出演。俳優だけでなく、舞台の演出も務める多才ぶりだ。過去に作家の林真理子さんとの対談では、知られざる素顔や仕事のスタンスを明かしていた。(この記事は2020年1月19日に配信した週刊朝日2020年1月24日号の抜粋の再掲載です。年齢や肩書等は当時)。

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 日本演劇界で“怪優”とも呼ばれる実力派俳優、生瀬勝久さん。演技のみならず、脚本、演出まで自身で手掛ける、生粋の舞台人です。そんな生瀬さんの芝居や演出の考え方、人生のモットーとは。作家・林真理子さんがうかがいました。

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林:生瀬さんはテレビも映画もずっと出ずっぱりという感じですけど、そのわりには、取材でプライベートはあまりお話しになってませんよね。

生瀬:僕のことはあんまり知りたくないみたいなので(笑)。

林:そんな、ひがまないでください(笑)。今日はいろいろお聞きしたいんですけど、私、生瀬さんはどちらかというと舞台の人というイメージが強いんです。

生瀬:もともとは舞台ですから。

林:辰巳琢郎さんの「劇団そとばこまち」(京都大学演劇研究会出身者を母体にした劇団)にいらしたんですよね。私、辰巳さんとは親しいんですけど。

生瀬:僕は京大じゃないんですが、別の芝居に出てたのを辰巳さんがたまたま見てて、「おまえ、ウチに入れ」って誘拐のように無理やり入れられたんです。

林:「そとばこまち」って関西ではすごい人気だったんでしょう?

生瀬:学生演劇ですけど、集客は2、3千人でした。

林:学生演劇で2、3千人といったらすごいじゃないですか。

生瀬:辰巳さんはプロデューサーとしての才能がすごいんですよ。

林:辰巳さんの京大の同級生って、テレビ業界にいっぱいいるんですよね。

生瀬:辰巳さんの下の世代になるんですけど、「そとばこまち」から出てこの業界でやってる人たちはとんでもないです。大河ドラマ「いだてん」のプロデューサーもそうだし、「チコちゃんに叱られる!」(NHK)のプロデューサーもそうだし、「プロジェクトX」「プロフェッショナル 仕事の流儀」(同)を立ち上げた人とか、みんな「そとばこまち」出身です。

林:すごいですね、「そとばこまち」のこの業界における人脈って。生瀬さんも座長をやってたんですよね。

生瀬:辰巳さんがNHKの朝ドラ(「ロマンス」1984年)に決まって、座長をやめて、そのあと2年間だけ別の人が座長をやってたんですけど、その人がやめたあと、辰巳さんが「生瀬、座長をやれよ」と言って、僕、座長を13年ぐらいやってたんです。作家がいないから自分で書いて、演出もして、役者もして、ということをずっとやってました。

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