以前は複数の思考のタネがあると、関心を持って眺めて関連性に気付くことができました。それがいまは気付くことができないどころか、そもそも無関心でいることが多く、なおかつその状態を平然と放置しているように思えるのです。そのため注意が及ぶ範囲がどんどん小さくなり、なおかつ思考のタネ同士のリンクが切れて、それぞれ分離している感覚があります。それを表現するために「縮退」という言葉を使いたくなりました。
かなりややこしい言い方をしているので、なにを言っているのかよくわからないかもしれませんが、こうやって新しい漢字の意味を創作する作業は、やっていて楽しいこともあり、私は時々行っています。漢字の創作は「主観視」に軸足を置いたものの見方といえるでしょう。そのように世界を見ることで、「老い」の実情をより正確に記述できるようになるかもしれません。
並列処理ができなくなった
以前は一日にやる仕事や面談、会議、打ち合わせなど二〇個くらいのことが頭の中に入っていました。それを元に予定表に書き込んだり、一つ一つのことを順次深く検討することができました。多くのことに並列的に取り組む、並列処理が当たり前のようにできていたのです。
ところが最近は、それができなくなりました。仕方がないので一つのことに取り組み、片付けてから次を行う直列処理で仕事を確実にこなしています。無理をして並列処理をすると、頭がついていかずにミスが増えます。いまの状態には直列処理の方法が合っているようです。