立ち上る目に見えぬグルーヴ(イラスト:サヲリブラウン)

 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 先週チラリとお話しした修理中のパソコン。ヒビ割れた画面を直すのに結構な時間とお金がかかるとわかり、ひとまず引き取ってそのまま使っています。ヒビは右上だけだし、まあ使えないこともない。

 しかしアレですね、世の中のたいていのものが「修理するより買いなおすほうが安い」の、どうにかならないものか。修理を担当してくださる技術者には十分な報酬が支払われてほしいものの、新しく買ったほうが安上がりなのもねえ。今回は意地でも修理するぞと息巻いております。

 さて、奇祭と評された先日のイベントから1週間。ようやく生活も通常モードに戻りました。通常モードということは、土日に講演会があるということ。我ながらよく働く。

 金曜の夜、私は愛媛県の松山市に前乗りしました。予約したホテルは道後温泉のそばだし大浴場と書いてあるから温泉だと決めてかかっていたら単なるデカい風呂だったという悲しいミスもありながら、翌日は300名近くの人に集まっていただいた上にみなさんノリもよく、楽しい時間を過ごせました。帰りには空港で鯛めしも食べて、短い滞在期間を大満喫。

 翌日曜日はさいたま市で講演会。こちらにも大勢集まっていただき、みなさん90分に及ぶ講演を一言も聞き漏らすまいと、真剣に耳を傾けてくださいました。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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