こちらは白醤油タイプのにゃんべい。塩気がたまりません

「にゃんべいも好評でしたが、七福にゃんべいができてから、とたんに『かわいい』という声が増えました。やはり、笑顔がきいたんだと思います。笑う門には福来たる、と言いますし、七という数字も縁起がいいですよね」(青木さん)

 みなとやは社訓に「四方よし」を掲げている。お客様(買い手よし)、仕入先(売り手よし)、社員(働き手よし)、社会(世間よし)。社員も楽しんで開発し、手ごたえもあったから、次は社会に貢献したい、身近な動物愛護に協力したいと考えるようになった。

「地元の保護活動をしている『江東ねこの会』にお声がけをして、当初はにゃんべいが売れたら10円を寄付する、というような形でのコラボレーションをしていました。数年前、江東ねこの会の活動拠点が改築することになり、場所に困っているという話を聞き、協力できることはないかと、みなとやで管理している空き倉庫をお貸しするようになりました」

 こうして2022年7月、移転オープンしたのが、江東ねこの会が運営する譲渡型保護猫サロン「もんにゃか」だ。門前仲町駅に近い好立地で、週末にサロンを開いているという。

七福にゃんがかわいい「ニャン福神」

 青木さんは言う。

「七福にゃんべいができたと同時に、輪が広がっていったなあという感じですね」

 にゃんべいもわんべいも、年間を通じてコンスタントに依頼があるという。

「お友だちのお誕生日や退職の御礼、イベントなどのプチギフトにお使いいただいているみたいです」

 みなとやには、猫以外にも犬型のせんべい「わんべい」、さらには小鳥のせんべいもある。スタッフたちに動物好きが多いのだという。ちなみに、青木さんも犬好きで、トイプードルと一緒に暮らしている。取材中、表通りを大きな犬を連れた人が通りかかると、にわかに店内が活気づき、犬好きらしいスタッフが通りまで見に行っていた。青木さんの目も輝いた。

「やりたいことができているという感じですね」

 そう言って、青木さんは笑った。

(編集部・澤志保)

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