門前仲町は深川不動堂近く、昭和23年創業の「みなとや」には、「にゃんべい」なる猫の形をしたせんべいがある。耳つきで福々しい笑顔がかわいい「七福にゃんべい」や、七種類の”七福にゃん”がプリントされた「にゃん福神」もあり、猫好きならずとも、つい財布のひもが緩んでしまう。
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なぜ、せんべいが猫化したのだろうか。みなとや3代目の青木毅司さんににゃんべい誕生のきっかけを聞いた。
「にゃんべいができたのは、6,7年前ですね。うちの猫好きのスタッフが、『こんなのあったらいいな』と猫型のおせんべいを提案してくれて、『それはおもしろそうだね』と盛り上がって、作ることにしたんです」
ポイントは耳の形。細すぎると、焼いたときに折れてしまう。折れないようないい塩梅の金型を開発し、半年ほどで現在の「にゃんべい」が完成したという。
そこから、にゃんべいは進化を続ける。みなとやには猫好きのスタッフが3人もいた。
「『おせんべいに味付けをしただけでは面白くないよね』『もっといろいろなことができるよね』という話になりまして、うちはプリントができたので、おせんべいに白雪をつけて、プリントしたらもっとかわいいおせんべいになるぞ、と」(青木さん)
もともと、みなとやには招き猫をプリントしたまねき猫せんべいはあった。
「かわいいだけではなく、福々しいせんべいにしたい」と同じデザイナーにイラストを依頼、笑顔の猫を描いてもらった。
こうして誕生したのが、七福にゃんべいだ。
にゃんべいに笑顔の猫がプリントされており、ハチワレ、ミケ、サバトラなど柄もさまざま。味は白雪タイプと白醤油タイプ、2種類がある。