日赤と皇室の関係は深い。戦後より日赤の名誉総裁は代々の皇后が、名誉副総裁は皇族妃が務めてきた。

 日赤の始まりは、1877年の西南戦争にさかのぼる。この時に創設された負傷者の救護団体が「博愛社」だった。

 時の美子(はるこ)皇后(昭憲皇后)は、博愛社に定期的に現金を下賜する形で支援を続けている。

 まもなく博愛社は、日本赤十字社に改称。戦時に敵味方に関係なく医療活動を展開する赤十字・赤新月社連盟傘下に入った。

 皇室との関係が深まったのは、1888(明治21)年。福島県の磐梯山噴火の際、昭憲皇后が医師の派遣を命じる。それをきっかけに、世界の赤十字に先駆け、戦時以外の災害救護活動を行うようになる。さらに献血事業や医療・福祉事業を手がけ、皇室の支援を受けてきた。
 

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