
西川貴教が、25日放送の「SONGS」(NHK総合・毎週木曜午後10時)に5年ぶりに登場する。 超肉体派の西川貴教のトレーニングに番組のカメラが密着するのが話題だ。いまや筋肉もトレードマークの西川貴教の魅力を過去の記事から振り返る。(「AERA dot.」2019年11月25日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)
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1996年にT.M.Revolution(T.M.R)としてデビューし大ブレイクを果たした西川貴教(49)。以来、バラエティー番組、CM、ミュージカルと活躍の幅を広げてきたが、今秋からは地元・滋賀県を舞台にした連続テレビ小説「スカーレット」(NHK)に役者として大抜擢された。「自由は不自由やで」の口癖を持つ金髪の世界的芸術家・ジョージ富士川を好演し、幅広い層に受け入れられている。
そんな西川だが、2016年のT.M.R活動20周年を機に、本名の「西川貴教」で再出発することを決断。全国のレコード店巡りやショッピングモールでのイベントなど、“新人アーティスト”として下積みのような活動を続けている。
「本名での再デビューについて、T.M.Rでの活動を20年以上続けた結果『T.M.Rはこうあるべき』というお約束的なものができ、そこから離れて新しい表現をしてみたいという気持ちがあったと語っています。まわりのスタッフにも『新人アーティストとして、ゼロの状態からやっていく』と話しているそうで、そのスタッフたちにゼロから作り出す喜びを味わってほしいとも。『週刊文春』のインタビューではお母さまの病気を機に『親にもらった大切な名前で勝負したい』と考えるようになったとも話していましたね」(女性週刊誌の記者)
17年に最愛の母を亡くした西川。故郷の滋賀県で開催している音楽イベント「イナズマロックフェス」に力を入れるのは、その母への想いも大きかったようだ。
09年にスタートさせた「イナズマロックフェス」は、「音楽でふるさとに恩返しをしたい」という気持ちと、なかなか地元に帰るタイミングが作れず、ならば地元で仕事を作ろうという思いから始めたと明かしている。フェスが終わると母親は西川の頭をなでてくれ、「それが唯一のご褒美だった」と語っており、それを励みに毎年フェスを行えたという。難病と闘病の末に亡くなった母親に対して、「親孝行を少しでもできたのでは」としみじみと語る姿が印象的であった(NHK「SONGS」4月27日放送)。
アーティストとして脚光を浴びる一方、最近ではSNSなどで披露するムキムキの筋肉も話題だ。
「ご本人が『デビュー当時は40kgあるかないかくらい』と言っているように、華奢なイメージがあった。ただ、体力を使う自身のライブで脱水症状を起こして倒れたことが何度かあったそうで、もともとは体力をつける目的で筋トレを始めたといいます。見事に肉体改造に成功し、あの美しい筋肉を手に入れたそうで、現在は3つのジムを目的に応じて使い分けているそうです。また、3月に電気グルーヴのピエール瀧さんが薬物事件で逮捕された際は、Twitterで筋トレすれば幸せホルモンが出るなど、筋トレのメリットを熱弁。『薬物なんて絶対に必要ありません! 筋トレしましょう!』とつぶやき、賛同の声が相次ぎました」(同)
世界的ショーで日本人初の起用
来年は大きな舞台への出演も次々と決まっている。世界30カ国以上で上演されているダンスエンタテインメントショー「バーン・ザ・フロア」の2020年日本公演で西川がゲスト出演することが発表されたが、日本人シンガーが同作品のパフォーマンスに加わるのは史上初となる。また、来年8月に日本初上演される注目のミュージカル「スクール・オブ・ロック」では、主人公(柿澤勇人とのWキャスト)に抜擢。その圧倒的な歌唱力とパフォーマンスに期待が高まっている。
「さらに来年の大河ドラマにも出演するのではと噂されています、沢尻エリカ容疑者の逮捕で迷走している『麒麟がくる』の主人公は明智光秀で、西川の出身地である滋賀県は光秀のゆかりの地ですからね。『おかあさんといっしょ』(NHK Eテレ)内の人形劇では声優に、『天才てれびくんYOU』(同)では『マーヴェラス西川』として活躍していますから、NHKからの信頼も厚い。どこかのタイミングで出てくると思いますよ」(放送作家)
来年、活躍の場がますます増えそうだが、TVウォッチャーの中村裕一氏は西川の魅力についてこう分析する。
「歌唱力をはじめとする音楽的な才能があることはもちろん、パフォーマーとしても華があり、ミュージカルの舞台にも立てる。『ワイドナショー』出演時には松本人志とも互角に渡り合うなどトーク力も抜群。さらにはアニメや特撮にも造詣が深く、『消臭力』のCMでは毎回不思議な存在感を放ち、視聴者の目を釘づけにしている。デビュー以来、さまざまな形でエンターテイメントの最前線に立ち続けているのはさすがの一言です。自分の立ち位置を冷静に見つめることができるクレバーさと、ハードな筋トレも厭わないストイックな熱さを兼ね備えているのが、彼の最大の魅力ではないでしょうか。来年50歳を迎えますが、年齢の枠を超越した新しい50歳、“NEO50(フィフティ)”として、同世代の希望の星となってこれからも活躍し続けて欲しいですね」
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