私はもともと対象を観察するのが好きなので、このようにまわりをよく見るようになるといろいろなことに気付いて、思いを巡らせるようになりました。一番はやはり季節の変化を感じられるようになったことです。私が住んでいる都心の住宅街にも結構自然はあります。木々の変化や咲いている花など、そういうものから季節の移り変わりを感じる機会が増えました。

 最近興味深かったのは、早朝から活動している鳥たちの営みです。最初に小さい鳥たちが活発に動き出して、鳩やカラスなどの大きな鳥たちは後から徐々に動き出すことに気付きました。また鳥の種類は詳しく知らないものの、早朝に活動している小鳥たちの鳴き声にはどこか規則性があり、餌場や危険の伝達を行っているように思いました。鳥たちの鳴き声に耳を傾けているうちに、鳥たちにも言葉があり、意思疎通を行っているように感じられたのです。

 突拍子もないことを言っているように思われるかもしれませんが、人間以外の動物たちも生きていく上でコミュニケーションは重要です。なんらかの方法で意思の伝達を行っているのではないかというのは、以前から推測としてなんとなく考えていたことです。仕事に追われて毎日忙しく過ごしていた頃はあまり深く検討したことがありませんでしたが、朝ののんびり散歩でまわりをじっくり観察しているうちに、その疑問を思い出していろいろと考え始めていました。

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肉体は衰えたが洞察力などは深まっている