(写真:自治体提供)

 ふるさと納税といえば現地の特産品のイメージが強いが、ランキング1位は福岡県飯塚市の「鉄板焼ハンバーグ デミソース」だった。2位以下にはおなじみの海産物や肉が目立つが、9位には静岡県富士宮市のトイレットペーパー、10位には茨城県境町の新米がランクインしている。物価高騰や社会保険料の値上がりを背景に、返礼品を家計の補助として活用する納税者が以前より増えている様子。

 ところで、ふるさと納税に関しては誤った知識や誤解も多い。正確な情報を税理士の西原憲一さんに解説してもらった。

住民税の先払い制度

「ふるさと納税は寄付した金額から2千円を差し引いた金額に寄付金控除が適用されます。寄付金控除により、所得税分は所得控除され、多少の還付金があります。そして住民税から税額控除(まるっと差し引かれる)。これにより税金が免除されるわけではなく、『本来、払うはずだった住民税を先払いしている』イメージです。なお、ワンストップ特例利用の場合は住民税のみから控除(その際、所得税分の還付も考慮)されます」

 所得税分の還付金が気になる。たとえば年収600万円の独身会社員が10万円のふるさと納税をしたら還付金はいくら?

「ざっくりした試算ですが、年収600万円の場合の給与所得は436万円です。基礎控除を通常の48万円のみとした場合、ふるさと納税額による寄付金控除額は2千円の自己負担額を差し引くと9万8千円になり、課税所得は378万2千円。これに対する所得税率は20・42%になるため、所得税の還付税額は約2万円です」

 住宅ローン控除などで所得税ゼロなら課税所得の5%(上限9万7500円)を住民税から控除し、それでも控除しきれない分の寄付は自己負担となる。

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