さて、私の例は、ちょっと極端だったかもしれません。けれども、美しさやかっこよさといった容姿に対する意識は、多くの人が持っているものなのではないでしょうか?
今年の初め、とてもびっくりするようなニュース(※1)が飛び込んできました。医学誌「JAMA Network Open」に2024年1月10日に掲載された最新の分析によると、「世界中の十代の若者の10人に1人近くが、効果がなく有害な可能性がある減量製品を使用したことがある」というものでした。
この最新の報告は、オーストラリアのディーキン大学のNatasha(※2)氏らが行った、過去40年間における、計60万4,552 人が参加した合計 90 件の研究のメタアナリシスの結果であり、なんと、約 9% の青少年が生涯にわたって市販の減量製品を使用していることがわかったといいます。
減量製品の使用率は、男子よりも女子の方が多かったほか、最も一般的な減量製品はダイエット薬であり、生涯を通じて青少年の 6% がダイエット薬を使用していること、続いて4%が下剤を使用し、2%が利尿剤を使用していたというのです。
使用を減らすのに介入も必要
思春期の若者、特に少女において減量製品の使用が高レベルで行われていることを報告したNatash氏らは、これらの製品が減量に効果がないことや、長期的な健康への有害な影響(処方されていない市販の減量製品は、子どもの身体的および精神的健康の両方にとって危険であり、使用開始から数年以内に摂食障害と診断されるリスクを高めるため、健康的な体重維持のために医学的に推奨されていないこと。
これまでの研究から、処方されていない減量製品の使用が、十代の若者の摂食障害、自尊心の低さ、うつ、薬物乱用、青年期の栄養不足や成人期の不健康な体重増加などと関連していることが報告されている。)から、彼らに対して減量製品の使用を減らすための介入が必要であることを指摘しています。