(写真:日本救助犬協会TEAM7)

 午後8時半、車の中で就寝。下半身は寝袋に、上半身はダウンを着込んだが、寒さと突然起きる地震とで眠りは浅く、夜中に4度ほど起きた。こんなに寒くてしかも地震があれば、避難所での生活も相当疲れるだろう。停電と断水を解消するなど一刻も早い環境の改善を願う。

深々と頭を下げられ

 翌1月4日は午前6時に起きて犬と散歩。戻ってくると出動要請が出た。すぐに準備して7時40分、門前分署を出発。5分後に捜索現場に近い駐車場に着く。自衛隊が捜索中とのことで待機していたが、行方不明者を発見したとの知らせが入った。

 7時50分、出動要請が解除された。犬たちをケージから出して、駐車場に残っていた雪の上で遊ばせた。

 門前分署に戻ると、今日の救助犬による捜索活動はなくなったという。明日も捜索があるかはわからないらしい。輪島市役所にいる別の救助犬団体は昨日からずっと待機が続き、今日も出動がないかもしれないとのことだった。状況を総合的に判断して、TEAM7は引き揚げた。

 思い出すのは、避難所の方から深々と頭を下げられたことだ。熱海の土石流災害で出動した時も道行く住民に丁寧にお辞儀をされた。身が引き締まる思いとともに、体力が続く限り、活動を続けようとあらためて思う。(ハンドラー・河畠大四)

AERA 2024年1月29日号

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