人工膝関節の手術でも、ナビゲーションシステムやロボット支援手術を取り入れる病院が増加しています。術中ナビゲーションは3次元CTによる術前計画どおりの角度で正確に骨を切り、精密に人工関節を設置できるため、術者によらず、平均的で安全な手術が可能です。手術時間の短縮にもつながるとされています。
「ロボット支援手術は骨切り時のブレをロボットが制御してくれるため、精密な手術ができます。膝関節まわりの軟部組織への侵襲もより少なくなるため、術後の炎症や痛みも少なくなります」(藤井医師)
このように、変形性股関節症も変形性膝関節症も長い年月をかけて、少しずつ進行していく病気です。いずれの場合も初期には違和感や一時的な痛み程度だったものが、進行するにつれて痛みが増し、関節の変形が進むと歩くことも困難になっていきます。治療法の選択についても、病気が進行するほど、その選択肢は限られてしまいます。できるだけ痛みを我慢せず、早めの受診を心がけましょう。
(取材・文/石川美香子)